まあ、たいていの生徒はこう考える。

漸化式
a_1=1
a_{n+1}=2a_n …?

が与えられているとき、これは初項1、公比2の等比数列であるから、

a_n=1・2^{n-1} …?

となる。
 
 
 
 
どうやったら、?の式が?の式に変形出来るんですか?
 
 
 
 
?は?を変形したものではない。
 
 
 
 
  
 
 
 
最近は、こう解説している。

「?は暗号だ。素人に知られたくないから、へんな暗号で伝えてるんだよ。」

つまり
「?⇔コレハコウヒ2ノ、トウヒスウレツダヨ!」

といっているんだ、と。
暗号を読み取ったら、翻訳しないと。
翻訳とは、一般項を書くこと。

と教えてる。

だから、

a_1=2
a_{n+1}=2a_n-1 …?

のような漸化式なら、こうなる。

「今度は、内部のものにも分からないように、高度なセキュリティーがかかってるんだよ。」

「だから、そのセキュリティーを解除する鍵が必要なんだ。」

鍵とは特性方程式の解(ここでは1)のことである。
?の両辺から1を引くことで、

a_{n+1}-1=2(a_n-1)

となり、

「ほら、さっきのセキュリティーがかかってない暗号に戻ったでしょ」
と続ける。

彼らにとって、数式の持つ意味を考えるって、たぶんこれが初めてなんじゃないか?

コメント

nophoto
AAA
2006年6月21日16:39

漸化式ってどんな分野に応用できるのですか?

akiracchi
akiracchi
2006年6月23日3:13

微分方程式と差分方程式(つまり漸化式)といえば分かるでしょうか?

そこまで詳しく専門的にやっていませんが、
ある量Uの変化の式が
(dU)/(dt)=f(U)
とおけるなら、左辺を(U_{n+1}-U_n)/(?t)とおくことで
U_{n+1}=U_{n}+?t・f(U)
となり、(形式上)等差数列に引き込めます。
これで、様々なシミュレーションに活用できます。
それさえ分かれば、連立漸化式
a_{n+1}=pa_{n}+qb_{n}
b_{n+2}=ra_{n}+sa_{n}
から{a_n}のみで書くと3項間漸化式が出ます(ちなみにハミルトン・ケーリーの定理になる)が、これをa_{n-1}について解くと、最初に示したような式に帰着でき、単振動の微分方程式が導かれます。

入試問題では、

x_{k-1}-2x_k+x_{k+1}>0 (2≦k≦n-1)
を満たすとき、x_kの最小値をmとする。
このときx_{l}=mを満たすlの個数が1または2であることを示せ。(京都大)

に見られます。


あ、これを日記にすればよかった・・・

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